H.Lesser & SonsのGolden Bale生地で仕立てた グレンチェックスーツ。 カラーはやや明るめのブルーグレーで、柄の出方は控えめ。 グレンチェックやチョークストライプは ヘビーオンスの紡毛生地限るという 先輩方の意見にまったく異論はないけれど、 この生地に惚れてしまったのだから仕方ない。 満足度はHolland & SherryのConquestで仕立てた グレー系グレンチェックと同等か、それ以上。 デザイン、パターンはほとんど同じ。 3B中1掛け、サイドベンツの3ピース。 トラウザースは1プリーツ、ベルトレスのブレイシズ仕様。 今回は肩を割らなかったため、やや袖山が目立つが 決してコンケープさせているわけではない。 つまり身体に合わせ、バランスの良さを最優先した結果の デザインといえる。 これまで憧れが先に立ってアメリカントラディショナル、 50'sボールドルック、ドレープスーツ、 60’sっぽいタイトなスーツなど色々トライしてきたが、 つまるところはそういった既存のスタイルではなく 自分を引き立ててくれるオリジナルラインに行き着いた。 例えば肩を強調し、見事にウエストをシェイプさせた サヴルロウ的なスーツは完成された美しさを持つが、 英国紳士以上に似合う日本人は極めて稀だろう。 日本に生まれ、日本で生活し、日本人としての美意識、 感性、肉体を持っているわけだから 既存のスタイルをそのまま取り入れるのは所詮無理がある。 batakとの長い付き合いのなかでそのことに気付いたのは 自分にとって大きな収穫だと思っている。 スーツではなく自分が引き立つスーツ、 パーソナリティを含め、自分自身を表現してくれるスーツを 手に入れたいと思うなら、ビスポークこそが最良の手段といえる。 次こそはシャークスキンか、モヘアウールなど なんの変哲もない無地の生地で誂えたいと考えているが、 そこまでストイックなスーツを着こなす自信がまだない。 ケイリーグラントの境地に達するにはまだ時間がかかりそうだ。 #
by nori_g
| 2009-03-02 21:21
| スーツ
歴史ある製版会社の御曹司にして、夜はDJの顔を持つ 若き友人、マッキーのお誘いでオーシャンブルー横浜へ。 今宵はドイツ発のユニット、re:jazzのライブ。 彼ら、何回か来日しているらしいがクラブミュージックを アコースティックジャズに再構築するという試みが なかなか興味深い。 私の専門は1980年代初めまでのSOUL MUSICだが 趣味でDJをやっていた頃が、たまたまクラブジャズの 台頭期だったため、このタイプの音楽は嫌いじゃない。 出発前に来日メンバーをチェックしたら Vo.はInga Luehningさんで、もしやと期待した Ultra Nate姐さんじゃなかった。ちょっと残念だが仕方ない。 Ingaさんのクールな歌声で良しとしましょう。 オープニングはCold Cutのカバー、People Hold Onで ハウスの原型はまったく消し去られ、味わい深い仕上がり。 Give a little light Give a little love Maybe there's enough for everyone People hold on のリフレインが美しい。 中略 そしてアンコールは懐かしのクラシックス、 Keep On Movin'で、これには会場盛り上がる。 グラウンドビートの地を這うような低重心グルーブを 地上50cmくらいまで持ち上げた浮遊感が微妙に気持ちいい。 シャンパングラス傾けつつ、楽しい時間が過ぎていく。 で、略してしまった中盤はまあ、こんなものか、 というのが私の正直な印象。 アレンンジのセンスは感じられるものの 名うてのミュージシャンが揃ったわけでもなく インプロビゼーションに会場が沸き立つこともない。 夜のしじまに低体温のジャズが淡々と流れていく。 マッキーの解説によると近年、北欧のジャズが クラブで好まれていて、その流れに沿ったものらしい。 なるほど、そうですか。 帰り道、久しぶりにNORMAN CONNORSの You Are My StarshipやBecha By Golly Wowに 酔いしれたくなった。 re:jazzに関心のある方はYOUTUBEで勝手に検索してください。 私からのオマケはこちら。 ↓ http://www.youtube.com/watch?v=sC3pLlBD0wo http://www.youtube.com/watch?v=Y6LlF93yaLI #
by nori_g
| 2009-02-26 23:29
| 夜遊び
ライニングも芯地もパッドもないシャツ仕立てで、 ニット、カットソーの上に気軽にはおれる いわゆるシャツジャケットが好きだ。 なぜか紅茶専門店になってしまったマリナドブルボンが セレクトショップだった頃、 オリジナルのブラックウォッチや杢グレーのものを 購入した記憶があるが、 遥か昔のことなので、もう手もとには残ってない。 今日、見かけるのはイタリアの ラグジュアリーブランドの商品で、これは軽く10万を越える。 どこからそんな値段が出てくるのかさっぱり分からないが 自分に相応しくないことだけは明白だ。 となると気長に偶然の出会いを待つしかない。 で、最近発掘したのが、これ。 Pendletonはブランケットやシャツなど ウール製品主体の歴史あるメーカーで デニム好きの若い衆には結構人気があるらしい。 チェックのシャツはご近所の古着屋にも山ほどあるが シャツジャケットはとっくに廃番のせいか、あまり見かけない。 たまにあるとMかLで、ボックスシルエットのため よほど体格のいい人でない限り、日本人には不向きだろう。 私が手に入れたのは、希少なSサイズでダメージは殆どなし。 1960年代くらいの製造で、柄はハウンドツース。 ある意味、アメリカ中西部の田舎くささがこのブランドの アイデンティティなので、こんな上品な柄は珍しい。 大きめの3パッチポケット、イミテーションのクルミボタン、 太いステッチなど洗練とはほど遠いものの 肩の力が抜けた表情と、軽い着心地がたまらない。 今の時期は部屋でくつろいでいる時に着ると最高。 もう少し暖かくなったらボトルネックの カットソーなどに合わせ活用する予定。 しかしいつの時代でも、ありそうでないものは なかなか手に入らないものです。 #
by nori_g
| 2009-02-24 22:12
| カジュアル
今年も相方からのプレゼントは ゴールドジムのダブルチョコ味ホエイプロテイン。 あまりロマンティックとはいえないが 実質的であることは間違いない。 私の場合、体重60kgだから1日120gの 蛋白質を摂取する必要がある。 これを牛肉で摂ろうとすれば、約700gだから 脂肪の摂り過ぎの方が問題になってしまう。 スーツの似合う体型づくりには不可欠なサプリメントです。 さて、トレーニングの方だが最近は足踏み状態。 一応、スタート時の目標を達成し 年齢の割にはいい身体となったため、 より大きくなりたいという気持が薄らいでいた。 積極的に上のウェイトにチャレンジしないから 辛い思いをしない代わり(それでも結構辛いが) 体型もさしたる変化なし。 結果的にモチベーションが下がってしまった。 このプレゼントを再スタートのきっかけにしたい。 ここからはお洒落の話。 ヤセはヤセなり、デブはデブなりに似合うスーツはある。 しかし、男性の肉体の抽象表現であるスーツは、そもそも 厚い胸、締まった腰、立体的な尻を前提に形作られている。 だから生まれつき(私のような)鉛筆体型の場合、 胸と尻に立体感を出せばスーツはグンと着映えする。 逆にポッチャリ体型の場合はウエストを絞りこみ、 薄皮1枚ぶんの脂肪を落とすことで、 スーツ姿は見違えるようになるだろう。 ビスポークスーツにいくら投資しても、そのベースとなる 身体への投資を怠ると十分な利潤は得られません。 #
by nori_g
| 2009-02-20 00:27
| ボディメイク
なんとなくタータンのウールタイが欲しくなった。 そんな場合、人はどうやって探すのだろう。 ジーンズショップやシューズショップはあっても、 ネクタイの専門店というのはあまり見かけない。 KさんのFairfaxは有名だが路面店はない。 デパートには、選びきれないほど多くの タイがディスプレーされているが イメージにぴったりのものがあるとは思えない。 セレクトショップはイタリア製が中心だろうし。 試しにオークションで探してみたが、やはり空振りだった。 あまり期待しないでエルメスの店内を覗いてみたら、 隅のほうに2~3本、あることはあった。 が、私のワードローブに照らし合わせると全くマッチしない。 スタッフの女性に色違いがないかを尋ねると、 カタログのようなものを見せてくれた。 1本、手持ちのツィードジャケットやコーデュロイジャケットに 似合いそうなブラウン系タータンが見つかった。 購入の意思を伝えると、4~5分待たされる。 お客様、現在の時点で国内に1本だけ在庫がございます。 ただしこの瞬間に売れてしまった可能性もございます。 入荷したらご連絡ということでよろしいでしょうか。 それは、1本しか輸入されなかったのですか。 既に売れてしまった可能性もありますが、詳しくは分かりません。 あまり納得はいかなかったが、駄々をこねても仕方ない。 連絡を待つことにして店を出る。 期待していなかったら、数日後に電話があり入荷したとのこと。 早速、ショップに向かう。 極めて普通のタータンだから、とりたてて感動はない。 これが欲しかったんだよ、という確信もない。 しかしタータンのウールタイを、他で見つける方法を私は知らない。 というわけで有り難く買わせていただく。 帰宅してジャケットに合わせてみる。 コーデュロイには暗過ぎるが、シャツやトラウザースを 工夫すればツィードにはなんとか使えそうである。 なんとなく安心してネクタイラックに掛ける。 後日、いつものヘアサロンでメンズマガジンをパラパラやっていると エルメスの見開き広告に目がとまる。 私が購入した日本で最後の1本のタイが、堂々と掲載されていて なんだか不思議な気がした。 巨額の費用を投じて、たかだか2万円程度の それも日本の店頭では殆ど手に入らない商品を紹介する。 広告って一体なんなんだろうね。 #
by nori_g
| 2009-02-16 22:53
| アクセサリー
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